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イカす!ライトノベルのタイトルロゴデザインを調べてみた。

イカす!ライトノベルのタイトルロゴを調べてみた

皆さん、こんにちは!デザイナー修行中の中井と申します。

すっかり春になって、新しいものに興味が湧いてくる時期ではないでしょうか??
今回は、知ってるようで知らない、ライトノベルのこと、主にタイトルロゴのデザインについて調べてみました。

そもそもライトノベル(ラノベ)ってなに??

「ライトノベルとかラノベって聞いたことあるけど、どういうものなの?」
と思っている人も多いと思います。
ズバリ一言で言うと、ライトノベル(通称、ラノベ)は10代~20代向けの小説のことを指します。

そして、驚くことにその歴史は長く、1970年代以前に台頭してきた英語で「少年期」という意味の、「ジュブナイル」という小説ジャンルが原点なのだそう。

ジュブナイル作品といえば、筒井康隆の『時をかける少女』(1967)などがあります。けっこう有名な作品ですよね。細田守監督の映画を観た方も多いのではないでしょうか。内容的にもファンタジー・SF・学園・恋愛……などの要素が練りこまれており、10代~20代向け作品であることはうなずけます。
(※これは2006年の新装版です。)

ただ、「ラノベとは~」という細かな定義は定まっておらず、人によって意見が分かれます。青春小説やファンタジー小説=ラノベとか、読みやすい小説=ラノベとか、挿絵がある=ラノベ……など色々とありますが、必ずしもすべてそうだとは言い切れません。 「あの作家はラノベ作家だ!」と誰かがSNSなどで発信すれば、たちまち炎上の原因になるぐらいのデリケートな問題であったりします。現に、『図書館戦争』や『植物図鑑』など数々のヒット作を打ち出してきた有川浩さんは、自分はライトノベル作家だと主張していますが、ラノベだと認識して読んでいない人が多いでしょう。

結局のところ……
ライトノベルレーベルから発刊されている書籍 = ラノベ
という定義づけが一番説得力があるようです。

本題。ライトノベルのデザイン今昔

ラノベについて調べていると面白いのが、その表紙のデザインです。
ここ数年間で絵柄だけではなくデザインの変化や流行みたいなものもあります。

女性向け作品と男性向け作品でデザインは違う?

まずは、20年近く前の作品から。
1998年の作品『マリア様がみてる』という作品の表紙デザインをまずは見てください。

……さすがに古さを感じてしまいます。

タイトルロゴが丸ゴシック系フォントで、赤のフチも入っているので見やすいのですが、文字にメリハリがないですね。
そして、イタリック体! シンプルなのはいいのですが、まあなんというか、味がありますね。(笑)
ただ、2巻以降はこのイタリック体は見られません。フォントも明朝系のフォントに変わっています。女性向け作品ということか、エレガントさや優美さをイメージして明朝系のフォントに変えたのかもしれません。
この作品は百合・学園ものの先駆けで、かなりの人気作品です。

百合もの系統作品ではないですが、TL(ティーンズラブ)と呼ばれる女性向けライトノベルでは、『マリア様が見てる』と同じく、エレガントさを意識してデザインされていますね。内容は、ファンタジー・恋愛系統の作品が多いように感じます。

男性のほうが圧倒的に読者が多いとされているラノベですが、女性向けと比べて男性向けはデザインの違い的にどうなのでしょうか。
『マリア様がみてる』と同じ1998年に発売された『フルメタル・パニック!』という作品があります。これは、ミリタリー・SFアクション系統の作品です。なんともまあ、男の子がすきそうな話ですね。(笑)この作品のタイトルロゴを見てみると、こちらはゴシック体の黒字のタイトルがセンターに堂々と配置されています。絵の上にかぶさってしまっていて、いかがなものかと思ってしまいますが、ほかの巻を見ても同じくタイトルがセンターに堂々と置かれていて、これはこれで統一感があっていいなと思いました。

このようなゴシック体で堂々としたタイトルのものは最近の作品で、同じく富士見ファンタジア文庫から出ている『デート・ア・ライブ』(2011)や『甘城ブリリアントパーク』(2013)があります、どちらの作品もシンプルなデザインですが、可読性は抜群ですね。ぱっと見てタイトルがわかるので、無難でお手本になるようなタイトルロゴデザインなのかもしれません。

もちろん、女性向け作品が明朝体、男性向け作品がゴシック体
ということはありませんが、作品の内容や表紙のイラストとの兼ね合いを考えると、男性向け女性向け作品によってフォントを使い分けるという考え方もあるのだなと思いました。

ラノベの王道はラブコメ作品にある?

『涼宮ハルヒの憂鬱』(2003)は、有名な作品なので名前だけ知ってるという方も多いのではないでしょうか。学園、SF、ラブコメなどさまざまな要素が合わさったこのライトノベルは累計800万部も売り上げた作品です。

今見てみると境界線の太さが時代を感じさせます。ここまで境界線を強調するデザインは最近見かけませんよね。ただ、こちらも可読性はかなりいいです。
また、美少女キャラクターを重視し、タイトルロゴよりもイラストメインのデザインであるともいえます。一般文芸よりもキャラクターに比重を置いている、「ライトノベルとしての」ある種ジャケットの王道的作品といっていいでしょう。
余談ではありますが、『電車男』が大ヒットし、いわゆる「萌え」という言葉が流行したのもこの時期であります。「アキバ系」と称されるオタク文化が世間から注目されはじめ、マンガやアニメにとどまらず、ラノベもその文化の一つとして認知されていった時代です。

『とらドラ!』(2006)も王道ラブコメのラノベとして、有名なヒット作品でありますが、やはりヒロインに目が行くように空間をうまく使っているレイアウトです。タイトルも四文字ながらインパクトのある、主人公やヒロインの雰囲気に即したデザインになっています。

ちょうど10年前に発売された『バカとテストと召還獣』(2007)という作品のデザインも見てみましょう。こちらもラブコメ作品ですが、やはりキャラクターが目立つようにされています。また、タイトルロゴも工夫されています。デフォルメキャラとのバランスもいいですね。

長寿作品のタイトルデザインは変わった?

つぎに、過去から今現在もシリーズが刊行されている作品の過去と最新刊のロゴデザインを比べて見てみましょう。『キノの旅 the Beautiful World』(2000)、『とある魔術の禁書目録』(2004)は大ヒット作で、まだ作品が続いていています。

長く刊行されているものでも、意外にもタイトルデザインはできるだけそのままにし、見やすくデザインされているようです。
10年ほど前は、普通の書籍と同じようなレイアウトが多く、大体タイトルがタテ・ヨコどちらにしろ、絵とのバランスを大事にして作られてる気がします。

まあ、当たり前の事ですけどね。(笑)

しかし、最近になって見た目のインパクトを重要視するようになってきています。内容やタイトルが読者にとって「またその系統の話かよ……」と思われがちになってきたからでしょう。出版社は売れるラノベを発行するために、表紙のデザインを普通の書籍以上にこだわっているはずです。
ここから先は、さらに進化を遂げたラノベのタイトルロゴデザインを見ていきます。

今のラノベのタイトルデザインを調べてみた

最近はラノベ表紙のデザインは絵だけではなく、タイトルロゴも興味深いデザインがされています。そして調べていくといくつかパターンに分けられるということがわかりました。

明朝系文字シャドウ・斜体型

中二病感満載のタイトルにこの手法がよく使われます。
ずばり、多くの人がラノベに対するイメージのひとつとしてこのような作品があるのではないかと思います。ただ、時代とともに変わってきているみたいで、最近のものになるとシャドウは抑え目になり、配色や構成の工夫が出てきた印象を受けます。

ふきだし型

タイトルをふきだしのように囲んでいるデザイン。
意外と多かったのがこれ。吹き出しにすることでキャラがこちらにしゃべりかけている風に見せられますし、なにより目立たせることができますよね。

手描き文字型

手書きしたようなデザイン。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(2008)は長文系タイトルの元祖的存在の作品。
この本を手がけたシノバ兄弟というご兄弟で活躍されているデザイナーさんたちは以前より、この手描き風のタイトルロゴのデザイン案を、いろいろなところでよく出していたようですが、その可読性の低さから、あらゆる出版社で却下され続けていたみたいです。
そんな中、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の作品の編集者さんが、「おもしろそう!」ということで手描き・黄緑色という可読性・視認性の低さのダブルコンボで発刊しました。すると徐々に話題となり、二回TVアニメ化、そしてゲーム化もされるほどの大人気作品に上り詰めました。
この前例から手描き文字のラノベのタイトルロゴデザインで認められるようになったそうな。

文字あそび型

個人的に好きなのがこのデザイン。
文字の一部を崩して伸ばしたり折り曲げたりしています。タイポグラフィー要素が強く出ていますね。
『サクラ×サク』(2015)はファンタジー作品ですが、タイトルの「×」の部分は歯車をあしらったデザインで正直わかりずらいですが、表紙全体にガイド線みたいに、薄く描かれている「×」が味を出しています。

カラフル・ポップ型

最近の表紙のデザインで最も多いであろうデザインがこのデザインでしょう。
カラフルにすることで書店でも目を引きますし、何より見ていて楽しい気分になってきますね。『名探偵×不良×リア充×痴女×決闘者 ~犯人は誰だ!?~』(2015)はもはやタイトルがどこにあるか、なんなのかわかりません。(笑)
ただ、インパクトはあり、イラストとのバランスもいいデザインですね。

まとめ(今回調べてみてわかったこと)

今回調べてわかったことはラノベデザインにも流行りみたいなものがあり、意外と同じデザイン手法が使われているということ。そして、目を引くためにポップでカラフルなものが多くなってきているということです。作者やイラストレーターやその内容ももちろんですが、ライトノベルの売り上げに大きな影響を与えるのが、表紙であると言われています(いわゆるジャケ買いってやつですね)。
だからこそ、普通の書籍以上に流行に敏感になり、時に慎重に時にはかなり大胆にデザインされているのだなと思いました。

今回紹介したもの以外にも、いろんなデザインがあると思います。もし今回の記事で興味が少しでも沸いたら、書店のラノベコーナーに立ち寄ってみてください。これは、面白いな!と思うデザインのラノベに出会えるかもしれませんよ!!

おまけの話

長文タイトルラノベ。デザイナーさんに乾杯。

『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている』(2014)
という超長文タイトル作品。(笑)
今現在(2017年3月)、三巻まで刊行されているようです。
長文タイトルを頑張って表紙に落とし込んだデザイナーさんすごいですね……。(笑)修飾語の文字をうまく整えていますよね。勉強になります。

異世界転生系ラノベの進化が著しい。

近年、異世界転生系のラノベは非常に多いように感じます。
いわゆる、主人公が異世界(ファンタジーの世界やゲームの世界)に転生してとてつもないパワーを手に入れて、敵と戦うような作品です。
例えば、主人公がゲームの世界に転生する『ソードアート・オンライン』(2009)は、アニメ化のみならず、映画化、ゲーム化など大ヒットしています。
まあ、大体そのような作品の主人公は、チートスキルで無敵になるのですがね……。
そんな王道作品とは裏腹に、主人公がめちゃくちゃ弱くなってしまうというような作品がでてきました。たとえば『転生したらスライムだった件』(2014)はタイトル通り、スライムになってしまいます。このようなタイトルや内容で売れるのかよ?という疑問も自然と沸いてきてしまいます。
しかし! 何度も重版されかなりの人気作品になりました。

そして今年、ついに主人公がまさかの「温泉」に転生してしまう作品まで出てきてしまいました……。
タイトルは, 『異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる ~アンタの中が気持ちいいわけじゃないんですけどっ!?~』(2017)です。
もうなんというか、タイトルの字面がひどいです(褒め言葉)。
これほど、奇抜な発想の書籍が発行されているのは世界中探しても日本だけでないでしょうか。

(文/中井健太郎)

※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。

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