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若い人ほど危険!
デジタル遺品の問題とは?

若い人ほど危険! デジタル遺品の問題とは?

最近、お休みの日にゴロゴロしていたら、少し太ったももたろうです。

突然ですが、想像してみてください。今、あなたが死んだらどうなるでしょうか。
当然、たくさんの人があなたの死を悲しみ、涙することでしょう。

ただ、突然死は同時に多くの問題を残し、遺品問題というトラブルがあります。

なかでも昨今、特に突然死で大きなトラブルになっているのが、
多くの人が使用するパソコンやスマホの中にあるデータ。いわゆる「デジタル遺品」と呼ばれるものです。

写真、動画、書類から、電子マネーや銀行口座といったお金に関わるものまでデジタル化されています。

今回は、デジタル終活の専門家である『日本デジタル終活協会』の伊勢田様にお話を伺いながら、
デジタル遺品問題の現状や問題点および対策について考えていきます。

【目次】

1.デジタル遺品の問題とは?

今回、日本デジタル終活協会』の代表理事である伊勢田氏にお話を伺いました。
各種セミナーやメディアで、「デジタル終活」の普及活動に尽力されています。

伊勢田氏のセミナー画像
日本デジタル終活協会』代表理事 伊勢田篤史氏

『日本デジタル終活協会』では、デジタル終活という活動を、「パソコン・スマホ等の電子機器内及びネット上にあるデータ(「デジタル遺品」)に対する死後の取り扱いについて考える活動」と定義しています。

2種類のデータ区分:オンラインとオフライン

「デジタル遺品」には、パソコンやスマホ内の写真や文書ファイルなどのオフラインデータ
インターネット上のアカウント等(具体的にはGoogleやAmazon、ネット証券等のアカウント)といったオンラインデータ2種類があるそうです。

オンラインデータとオフラインデータ
デジタル遺品の2区分:オンラインデータとオフラインデータ

通常の遺品とは異なり、これらのデジタル遺品はパソコンやスマホなどが無いと確認することができません。
したがって、遺族による把握や管理が難しい遺品となるそうです。

2.デジタル遺品の問題の実情

ももたろう:こういったデジタル遺品に関して、実際には何が困るのでしょうか。

伊勢田氏

まずは、遺影の問題が挙げられるでしょう。今では多くの人々が、写真をデータでしか持っていないと思われます。
そのため、亡くなった時に、遺影にしたい写真を「PCやスマホから適時に取りだせない」という問題が挙げられます。

葬式の遺影
伊勢田氏

特に、若い人ほど、紙焼きされた写真を持っておらず、データでしか持っていないという方が大半でしょう。
同様に、スマホから住所録を取り出せず、友人・知人を葬儀に呼べない事例も多いようです。

伊勢田氏

さらに最近では、ヤフオクメルカリなどのフリマアプリを使って、個人で売買取引をしている人も増えています。

伊勢田氏

出品している方が突然亡くなり、そのご遺族が、買主からのクレームにさらされるケースもあると聞いています。「お金を支払ったのに、商品が届かない!」ということが。

バッグ
オンライン取引の途中に急逝した場合、ご遺族が取引対応に追われる
伊勢田氏

また、経営者や個人事業主の方であれば、「業務用のデータを適時にパソコンやスマホから取りだすことができない」というトラブルも多くなってきていると思われます。

3.今から準備できることは?

遺影から事業や大きな金銭に関わるデータトラブルまで、ありとあらゆることが問題となっています。

ももたろう:デジタル遺品の問題への対策として、なにをすれば良いのでしょうか。

伊勢田氏

まずは、みなさんのデジタル遺品の棚卸した上で、
洗い出したデジタル遺品を、「遺す」ものと「隠す」ものに分類します。
分類の際には、「絶対に遺す」や「できれば遺す」といったレベルごとに区分けされるとよいでしょう。
最後に、分類したものについて、それぞれ対応策を考え、エンディングノートにまとめるとよいでしょう。

デジタル終活のフローチャート
(出典:日本デジタル終活協会HP)

ももたろう:このようなデジタル終活で、最も重要なことは何でしょうか。

伊勢田氏

まずは、PC・スマホのログインパスワードだけでも紙面に書いて特定の親族に共有しておくことです。
たまにUSBメモリに残しておくという人もいますが、メモリ内にあるデータの重要性は、
当然、外見からはわかりません。
同様の物をいくつか持っていると、遺族が内容を確認せず、全部処分してしまうことも多いようです。

ももたろう:最近、若い人は生活データの大部分がスマホやパソコン内にあります。
若い人が亡くなった場合の問題点は?

伊勢田氏

若い方が亡くなった後の対応は、デジタル機器に疎い親御さんが行うケースが、多いように思われます。
デジタル機器の操作方法に詳しくない親御さんにおいて、当該者による十分な事前準備や説明がないと、情報収集が手詰まりとなる可能性も高いと言えます。

ももたろう:近年、老若男女がスマホアプリやSNSを使っています。これらについて、何か気をつけるべきことはありますか。

伊勢田氏

少なくとも、IDやパスワードを伝えると共に、死後にアカウントをどう扱ってほしいかと伝えておくとよいでしょう。なお、各種SNS(FacebookやInstagram等)のなかには、「追悼アカウント」というサービスを利用できるものもあります。 これにより、訃報をSNS周りの関係者に周知できます。

スマホ
現代の「人と人との繋がり」はSNS上の友人も含まれ、訃報も共有すべきなのかもしれない。

ももたろう:パソコンやスマホのパスワード解除を行うサービスがあると聞きました。

伊勢田氏

パスワードが分からない場合には、最終手段として、当サービスの検討も一案でしょう。
ただし、費用は高額になる場合もあるので、ご注意頂く必要があります。
特にスマホについては、相場が20万円前後とかなり高額となるようです。

こういったサービスに頼りきるのではなく、しっかりと自分達でデジタル終活について考える必要がありますね。

伊勢田様、ご協力ありがとうございました!

4.おわりに

いかがだったでしょうか?

今回はデジタル遺品の問題についてご紹介しました。
情報がすべてスマホやPCに集まる、現代ならではの問題でした。

これを機にぜひ、みなさんも遺品問題について考えてみてくださいね。

今回お話を伺った伊勢田篤史氏のプロフィール

伊勢田氏プロフィール写真
『日本デジタル終活協会』代表理事 伊勢田篤史氏

伊勢田 篤史 氏

『日本デジタル終活協会』 代表理事。
終活弁護士・公認会計士。

「あなたはパソコン・スマホを遺して死ねますか?」のキャッチフレーズと共に「デジタル終活」を普及する活動を2016年より始動。

『日本デジタル終活協会』のHPはこちら

(文/ももたろう、フリー素材/ぱくたそ、いらすとや)

※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。


 
 
 

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