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カルチャー

いま、話題の結婚契約書について解説します!
行政書士 安友千治【第4回】

結婚契約書のメイン写真

私のお客さんで、60代後半の製造業の経営者が結婚を考えておりましたが、
お互いに財産があるために、それぞれの相続人から無言の圧力で反対されており、籍が入れられない状態でした。

そこで2人は考えました。

お互いの相続人たちを安心させる内容を詳細に、覚書と契約書という形で、明らかなものとして残しました。

また、お互いと関係者を精一杯思いやった愛情あふれる言葉で、
財産その他生き方の細かな取り決めや将来の財産分与のベースを
契約書、さらに公正証書を利用した遺言書を残す事で万全を期しました。

シニアカップル写真

通常の結婚(法律婚)によると、相続の問題がからんで、
一緒に老後を生活する優しい時間を共有したいのに、思い通りに出来ない事は大変寂しいことではないでしょうか。

事実婚の問題点

事実婚であると、法律婚と比べて弱く、曖昧な関係です。

したがって、
当事者間でも目に見える具体的なモノが無いと、
何かの事情で関係に問題が生じた場合、
それでなくても男女関係は不安定なので、
より弱い人が傷を受けやすい関係と言えるでしょう。
(女性とは限りませんよ……)

まだ日本では、結婚は法律婚が前提であると考えている人が
大多数でしょう。

婚姻届とカップルの写真

日本で出来ちゃった婚(授かり婚)が多いのは
事実婚のカップルも子供ができると我が子を法律上不利な立場にしたくないから仕方なく入籍するわけですね。

でも本当に大切なことは、法律に人の関係・心を合わせ、当てはめるのでは無く、
人に合わせて、法の解釈や適用をお互いの幸せのために無理なく優しく刷り合わせて行く事ではないでしょうか……

結婚こそオーダーメイド・ハンドメイドであるべきでしょう。

夫婦間での契約についての法律

ところで一つ考えなければならないことがあります。

民法754条には夫婦の契約取消権があります。

これは夫婦間で契約をしたときは、その婚姻中何時でも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。
但し、第三者の権利を害することができない。というものです。

但しこの取消権は夫婦関係が円満な場合のことであり、破綻している場合あるいは第三者の権利を害することは出来ません。

六法全書の写真

法は家庭に入らない。

したがって家庭のことは家庭に任せて
国が法によって入り込んで強制的な行為まで許すことは
かえって家庭の幸福を害するでしょう。

でも、家庭内でどうしようも無くなった時は法の出番だよ!!
……そういう意味です。

但し、最近ではこの条文はほぼ空文化されているようですし、
第三者との関係で無効にならず、この契約の無効が問題になるときはほぼ夫婦関係は破綻していて契約は取り消せないと考えられることが多いのからでしょうね。

ただ判例もまだ少なく、学者も学説も不十分だと言わざるを得ません。
しかも果たして結婚契約をして、離婚するときにその中の条項にどれだけ法的効果があるのかはっきりはしません。

ここまではお固~~~い法律の考え方。

でもどうでしょう……
夫婦・男女関係で何より大事ものは双方の信頼です。

一緒に契約を実際にした事実は、紙っぺらの上に愛情の込められた文字として刻み込まれます……
これこそ信頼の証ではないでしょうか。

パートナーとして一緒に生きて、同じ価値観を認め、契約書に命を吹き込んじゃうわけです。
ここには法律よりもっともっと大事なカップルの信頼と深い愛情が込められています。

だからこそ……内容はともかく、ましてや効果は2の次……
カップルが向かい合って一緒に作業して……目に見える書面をつくった……
これで充分だと思いませんか。

だって……愛情・パートナーの絆の塊ですもん……!

ここ! 重要ですが……
「結婚契約」は既婚でももちろん構いません。

というより
既婚者こそより具体的に夫婦の約束事を決めてもらいたい
と思っております。

あまりガチガチでなく、自由にのびのびと契約してください。

「月に一度はディズニーランドでデートしましょ」
「毎週水曜日は正雄さんがゴミ出しすること」
「ラーメン好きのあなたの体のためにラーメンは週1回までとします」

こんなのも良いですね!

カップル手つなぎ写真

くどいですが……パートナーと一緒に考えて、納得して行こうとする姿勢にこそ価値があります。

この契約書をどのように活用して、どのようにお互いパートナーの絆を強めていくのか、共に相手を想い、工夫すること。
のために頭がちぎれるほど考え抜く……それが何より大切なことでしょうね。

次回は結婚契約の具体的な内容に入ります。

行政書士/安友千治の写真

メディア出演実績

テレビ
・TBS「知っとこ」
・読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」
・テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」およびラジオ等多数

新聞・雑誌
・日経新聞日曜版
・DIME
・結婚情報誌「BRIDES」「ゼクシィ」その他地方新聞連載及びラジオ

行政書士/安友千治
プロフィール

1955年広島県生まれ 中等部・高等部を経て青山学院大学経済学部卒業
1993年横浜市に行政書士事務所開業 結婚相談業者を顧客としていたので独身男性用の婚活塾「男塾」の講師や恋愛・結婚相談を経験し、婚活やパートナーとの関係構築のアドバイスを手がけ、国際結婚の国籍問題(中国・韓国・アメリカ)や家族滞在査証(ビザ)や日本永住・招聘手続を数多く手がけている。AU ドコモ ソフトバンクの携帯スポンサーサイトにて「離婚シュミレータ」をメイン監修していた。神奈川県行政書士会 理事 広報部長を経て、現在神奈川県行政書士会副会長(業務推進本部・企画部) 特定行政書士・申請取次行政書士

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(行政書士/安友千治)

※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。

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