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「ダンス」と言うと、人によって色々なものを思い浮かべるに違いない。ストリートダンスや社交ダンス、バレエやハワイアンなど、伝統のものから新しいものまで様々だ。そして近年では、ダンスはただ人が踊るだけのものではなくなってきている。テクノロジーの発達により、光や映像を効果的に演出に取り入れたダンスが、世界各地で上演されている。リオ五輪でのオープニングやクロージングのパフォーマンスも記憶に新しい。今回は映像とダンスが素晴らしい融合を果たした作品を、映像で紹介していきたい。
彼らについては、東京五輪招致の為に行われた晩餐会でのパフォーマンス『FUMA-KAI』で名前を知った人もいるだろう。“enra”とは2012年3月にビデオアーティスト、演出家の花房伸行が設立したエンターテインメントユニット。豊かな身体表現と空間や重力を自在に扱ったような映像が見事にシンクロし、観客を魅了する。現在 『“PROXIMA”Tour 2016』で世界中で公演をし、絶賛を浴びている。
enra
“enra”とは映像とライブパフォーマンスの融合を極めたパフォーミングアーツ・カンパニー。
2012年3月にビデオアーティストであり、演出家の花房伸行が設立。
スクリーンに映し出される映像と、ダンスやアクションなどの身体表現がシンクロすることによる、今までにない自由な表現がenraの最大の魅力です。
ハイレベルな身体表現に映像が加わることにより、観客のイマジネーションを 空間、重力や速度など物理的な制約から解き放ちます。
身体表現に長けた6名の個性的なパフォーマーが集結。
加世田剛、横山真希、和多谷沙耶、汰椿、望月ゆうさく、Kazzが魅せる身体表現はマーシャルアーツ(武術)、 新体操、 バレエ、アニメーションダンス、 ジャグリング、 ハウス、とあらゆるジャンルをカバーし、それだけでも他に類を見ない多彩なユニットです。
映画でも演劇でもない新しい感覚、それがenraです。
(http://enra.jp/より)
振付家・矢内原美邦を中心に、映像作家、音楽家、美術作家らが作品ごとに作り上げていくダンス・カンパニー。ダンスのみならず舞台美術や衣装、映像がせめぎ合い一つの作品を作り上げる。国内外の数々の芸術祭や公演のほか、ユニットやソロで新しいプロジェクトを立ち上げ、表現の幅はますます広がっていく。
Nibroll
1997年結成。振付家・矢内原美邦を中心に、 映像作家、音楽家、美術作家とともに、舞台作品を発表するダンス・カンパニー。舞台のみならず、美術館でのパフォーマンス、ビジュアル作品の発表など、ダンスや身体表現の可能性を追求している。東京を主な活動拠点としながら、欧米やアジアなどでも作品を発表し、注目を集めている
2009年 「日本ダンスフォーラム大賞」受賞
2002年 「森美術館MAMコンテポラリーアート賞」受賞
2000年 「ランコントレ・コレオグラフィック・アンテルナショナル・ドゥ・セーヌ・サン・ドニ(旧バニョレ振付賞)ナショナル協議員賞」受賞
(http://www.nibroll.com/より)
「ライゾマティクス」は10周年を機に3つの新部門を立ち上げ、専門性の高いプロジェクトに取り組むこととなった。その中の一つ、「ライゾマティクスリサーチ」がテクノロジーサポートを行なう“Elevenplay”が、米NBCネットワークの公開オーディション番組『America’s Got Talent (AGT) season11』に出演。審査員と観客の前で24台のドローンとのライブパフォーマンスを披露し、独特の世界観とダンス、テクノロジー表現が高く評価された。
rhizomatiks Research(ライゾマティクスリサーチ)
「Perfume」の演出やプロモーションを手掛けていることで有名な、メディアアーティスト真鍋大度率いる「ライゾマティクス」の技術と表現の新しい可能性を探求する部門。
メディアアート、データアートといった研究開発要素の強いプロジェクトを中心に扱い、まだ見たことのないモノ・コトを世の中に発表していく。
ハード・ソフトの開発から、オペレーションまでプロジェクトにおける全ての工程に責任を持つ。
また、人とテクノロジーの関係について研究し、様々なクリエイターとのコラボレーションワークを実践していく。
(https://research.rhizomatiks.com/#aboutより)
「To Belong」は、日本とインドネシアの国際交流制作企画であり、インドネシアのkomunitas Salihara劇場と共同で創作された、振付家・北村明子とインドネシアのアーティスト達とのコラボレーションによるマルチメディアダンス作品。
北村明子
1970年東京に生まれる。’94年にレニ・バッソを結成しアーティスティックディレクターを務める。同年、ダンスマガジンが選ぶ「世界のコレオグラファー50」に最年少で選出されるなど、次代を担う才能として広く認知された。
’95年、ダンスマガジン誌における年間ベスト作品に選出された「Enact Frames of Pleasure」を発表後一年間文化庁派遣芸術家在外研修員として欧州に滞在。’96年の帰国後、欧州滞在中に考案した独自の振付法「グリッド・システム」を用いた作品を立て続けに発表。ダンスと光、リズム、映像が交錯し展開する作品スタイルが確立される。
レニ・バッソの活動の傍ら「モーニング娘。」のポーズディレクションや、松本人志との共同振付などでCMも手がけ、2010年にはYAMAHAのCM上原ひろみ×レニ・バッソに振付・出演。ジャズピアニスト上原ひろみの生演奏に、カット割りをしないCM撮影への振付が話題となる。黒沢清監督作品『大いなる幻影』『回路』では役者として出演も果たしている。
2009年には、フランスのチェンバーロックバンド“Art Zoyd”の新作オペラ『KAIRO』(原作:映画監督・黒沢清)に出演し、その圧倒的なパフォーマンスは舞台専門誌だけでなく映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』でも絶賛された。
2010年4月よりソロ活動を開始するほか地域文化総合活動も意欲的に行う。
ACC個人助成日米芸術交流プログラム2015グランティスト。
早稲田大学大学院卒(舞踊・演劇)
信州大学人文学部 芸術コミュニケーション講座准教授
(http://www.akikokitamura.com/html/profile.htmlより抜粋)
フランスの「Adrien M / Claire B Company」による『PIXEL』は、ヒップホップの振付家Cie Kafigとともに作り上げられた、1時間にも及ぶプロジェクションマッピングとの融合のダンスだ。幻想的でありながらパワフルな虚実入り乱れてのサーカスのような演目だ。
通常はダンサーが映像に合わせたり、センサーによってコントロールされる。しかしこの作品はオリジナルに開発されたアプリケーションを駆使し、舞台背面と床面にアニメーションを投影し、iPadやWacomのタブレットなどで、ダンサーに合わせてプロジェクションをインタラクティブに遠隔操作しているというから驚きだ。
Adrien M / Claire B
コンピュータ・サイエンティストのAdrien Mondot(アドリアン・モンド)とステージデザイナーのClaire Bardainne(クレール・バルデンヌ)から成る、フランスのデジタル&パフォーミングアート・デュオAdrien M / Claire B。
アドリアン・モンドーは、 学際的な芸術家であり、コンピュータの専門家でもあり、ジャグラーでもある。2004年に、アーティスト「アドリアン・M」として活動を始めた。クレール・バルデンヌはビジュアルアーティスト、グラフィックデザイナー、そして舞台デザイナーである。ふたりは2010年、アドリアンが様々なアーティストの交流・協働を目的として開いた、「ラボ」というリサーチプロジェクトで出会い、2011年に「アドリアン・M/クレール・B」として活動を開始した。
(http://www.shift.jp.org/ja/archives/2015/10/adrien-m-claire-b.htmlのインタビューより抜粋)
色々なアーティストを紹介して来たが、テクノロジーとパフォーマンスを融合し芸術へと昇華するには、多大な技術への探求と身体能力の研鑽があってこそ。どんなに素晴らしい機械やアプリケーションが開発されても、それを表現するのは中心にいる人間であるということだと思う。近年日本ではコンテンポラリー・アートが、やっと世間の注目を浴びてきたところだ。日本だけでなく海外アーティストの公演など見る機会が増えてきたので、少しでも興味をもったら、ぜひ劇場へと足を運んでもらいたい。
(文/hillermay)
※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。
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