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【2018 水着】体型カバー水着がかわいい!
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こんにちは。Xジェンダーなライター、秋山です。
(Xジェンダーとは? はこちらの記事「LGBTQ就活:Xジェンダー用履歴書を作ってみた」をご覧ください。)
前回に引き続き、LGBTQ就活第二弾! ということで、今回のテーマは「服装」。
就活用の服、どうしても欠かせないものです。
業種的にばっちりビジネススーツが必須ということは少ないのですが、オフィスカジュアルくらいは必要になってきます。
しかしここで
「ビジネス服の基準、男女どっちに合わせればいいの?!」
という更なる疑問が……。
今回は僕が就活用の服を手に入れるまでの試行錯誤と、その試行錯誤の末たどり着いた、素晴らしいお店
「有楽町マルイ」の「ruコンセプトストア」さん、「みんなのオーダーby VISARUNO」さんをご紹介します!
個人的な好みで言えば、メンズライクに寄せたい気持ちがあります。
しかしここで障害になるのが身長や体型。
思い切ってメンズを着れたら良いのかも知れませんが、僕はとても身長が低いんです。
幸い女性的な肉付きは無いのですが、それも相まって、さながら小学生男子のようだなんて言われています。
普段着であればジャストサイズを探す必要もないのですが、就活の場ではルーズな着こなしなんてできません。
結局、レディースの小さめサイズから探すことになります。
諦めてレディースショップを見るも、ここでもうひとつ問題が。
「メンズとレディース、どうしてこんなに形がちがうの?」
ジャケットやシャツの右前・左前。
ポケットの大きさ。
タックの位置や本数。
なんと言ってもレディースジャケットの裾の広がった感じがどうしても気に入らない。
スーツやそれに順ずるものならお直しなんかもしてもらえるんだろうか?
と考えるも、一般的なショップで「このジャケット右前にしてくれ」などと言えるほどの度胸は持ち合わせておりません。店員さんのぽかーんとした顔を想像するともう恐ろしくて恐ろしくて。
それでもどうしても諦めきれず、他のマイノリティの人たちはどうしてるんだろう?
とネットで調べてみると、気になる記事を発見。
「どうやら有楽町のマルイにいくとなにかあるらしい」
というぼんやりした情報をゲット。
藁にも縋る思いで有楽町へと向かうことにしました。
そして辿り着いた「有楽町マルイ」。
気持が急いているのか、下から上まで舐めるようにエスカレーターで行くも見つからず。
どこなんだ……とうろうろしていると、店頭に豊富なサイズ展開を並べたショップが。
見ると「ruコンセプトストア」と書いてある。ここで合っているのだろうか。
まあもし違ったとしても、こんなにサイズ展開があるなら何かしら……そう思って店に足を踏み入れると、
あった! ありました!
レインボーなポップに「enjoy diversity」の文字が!!
よくよく見れば、店員さんもレインボーバッジをつけているじゃあないか。
これは相談してみるしかない。
気になったジャケットを手に取り、おそおそる近くにいた店員さんに聞いてみることにしました。
ずっと聞きたかった、「これ右前にできませんか?」
普通であれば訝しがるかもしれない、こんなリクエストを唐突にぶつけられた店員さん。
しかしその反応は、僕が今まで体験してきた、知っているものとは180度違いました。
「こちらですね」と暫く商品を見ると、「ただいま縫製室の担当に確認して参ります。少々お待ちいただけますか?」
とにっこり笑顔。
「enjoy diversity」は嘘じゃなかった……!
しばし店内を眺めて待っていると戻ってきた店員さん。
「申し訳ありません」と、
・もともと開いていたボタンホールは塞げないので、左右にボタンホールがあることになる
・ボタンを開けて着用する時は、両側のホールがかえって目立ってしまう
などを懇切丁寧に説明してくれました。
丁寧な説明と、店員さんの真摯な対応を見ていると、
ここでならどっちが前かなんて気にせず買ってもいいのではないか?
と思いはじめている自分がいました。
それだけ、初めて、お店で「自分」が接客されているという気になれたんです。
男性客でも女性客でもなく、「自分」が。
「enjoy diversity」のポップが掲げられたラックに掛けてあった、裾の広がりが無いジャケット。
スリムで、腰周りの緩やかさが無いパンツ。(これがあるとレディース感が強くなるんです。)
着てみれば「ああ、これか。」と妙に納得。
その後もサイズの調整や他のカラー、丈感なども親身になって相談に乗ってくれました。
そしてそんな中で、一言もあの言葉を言わないのです。
「女性の方でしたら」
なんだかんだと言われがちなこの言葉。特に、就活用であるという旨を伝えていればなおのこと。
それなのに一回だって僕を、「女性客扱い」したりしないのでした。
自分が買ってもいいものだと肯定されたようで、本当に気に入った形になるまでじっくりと選ぶことができました。
満足のいくものが買えるって素晴らしいことなんですね! 親切すぎる店員さんに涙が出そうになりました。
感激のあまり「記事にしたい!」と、思い切って取材を申し込んでみたところ、なんとOKを頂きました。
「ruコンセプトストア」が「マルイ」の運営するショップということで、店舗だけでなく「マルイ」自体のダイバーシティに関する取り組みなどのお話も聞かせていただけることに!!
こんな機会はない……! というわけで行ってきました、「有楽町マルイ」。
緊張しながら足を運ぶと、「マルイ」社員の方々が迎えてくれました。
僕が実際に商品を購入した「ruコンセプトストア」と、同じく「マルイ」が運営する「みんなのオーダーby VISARUNO」を案内していただけることになりました。
早速お店をご紹介します。
店内に足を踏み入れるとすぐに、幅広いサイズ対応がなされていることと、
「ENJOY DIVERSITY!」のポップが目に入ります。
パッと見ると、よく見るレディースショップのように見えますが、この大きなポップが「誰でも入っていいんだよ」と言ってくれているようで、入りやすさが段違い。
普段、レディースショップやレディースコーナーに足を踏み入れるのは場違いな気がして尻込みしてしまうのですが、これがあるだけで、そんな気持ちがすっと消えていきました。
おしゃれにディスプレイされたマネキンの横にはやはり、レインボーフラッグ。
落ち着いた店内のいたるところに、けれど決して主張し過ぎるわけではなく溶け込んでいるこの「意識」がとても嬉しいですね。
実際に、当然僕だけでなくマイノリティの人たちが来店されるそうです。
シスジェンダー(心身の性が同じ)の男性が購入していくケースもまた然り。
綺麗めかつ動きやすいパンツが人気ということで、「マルイ」の男性社員の方も、よくお仕事中に履かれているのだとか。(僕も購入しました。)
オフィス向けに限らず、普段使いできるものも置いてあるのが嬉しいです。
「みんなのオーダーby VISARUNO」は、その名の通りオーダースーツショップ。
店頭の「145㎝~195㎝」には目を見張るものがあります。
このマネキンたち、実際に見ると写真以上に大きさのバラバラ具合が顕著で、まさに「多様性」を感じさせます。
真ん中の一般的にメンズ用であるスーツを着たマネキンにご注目。
横の一般的なレディーススーツのマネキンよりもかなり小さいですよね。
こんな光景を見たのは初めてです。
これって僕らマイノリティに限った発信でないと思うのです。
シスジェンダーの男性がシスジェンダーの女性より小さいなんてこと、ざらにあるもの。
そしてこのマネキンの前にも、先ほど紹介したダイバーシティのポップとフラッグがあります。
こちらのショップも「マルイ」運営ということで、「マルイ」のダイバーシティへに取り組む理念が掲げられています。
「誰も置き去りにしない」の「誰も」の中に、自分も入っているんだなあと安心させられました。
また、やはりこうしてお店の様々な箇所にダイバーシティに関するものが置かれています。
完璧に「スーツ」というものが必要になったとき、僕はきっとこちらにお世話になるでしょう。
まだまだ気になることが溢れんばかり…… 「なんでも聞いてください」のお言葉に甘え、気になったあれこれを直球質問してみました!
Q.マイノリティを抱えるお客さんはどれほどの頻度で来店していますか?
A.1ヶ月に1,2名はいらっしゃいます。(「ruコンセプトストア」)
「みんなのオーダーby VISARUNO」さんには、年間のべ100名以上。各週末には1、2名訪れるのだとか。
また電話で、「体は男性だが、レディースのスーツを着たい。自分の着れるようなサイズはあるだろうか?」
といった問い合わせも度々あるのだそうです。
Q.訪れた人たちからは、どのような質問や依頼がありますか?
A.具体例を挙げれば、FtMのお客様から「上はメンズ、下はレディースで」というご依頼がありました。(「みんなのオーダーby VISARUNO」)
体のラインなどを考えて、その方は下はレディースの方が綺麗に着こなせて良かったのだそう。
これはなかなか他のショップではやっていないのではないでしょうか。
「お客様の体型に合わせてご提案しています」チーフバイヤーの方はそう仰っていました。
Q.色々と質問をされるかと思うが、その場合にはどんなアドバイスをしてこられましたか?
A.どんなアドバイスか、というのは普段と変わりません。
マイノリティであるからといって対応が変わる事は無く、ひとりのお客様として、その人が欲しいものを選ぶお手伝いをする。
見た目が男性のお客様で、レディーススーツの質問を受けたからといって、「スカートを履きたいのだろうか」などと考えることはありません。
普段と変わらない、というだけでも素晴らしいのに「スカートを履きたいのだろうか」などと考えることは無い、という先入観の無さ。当事者同士の理解すら超えているように感じ、目が丸くなりました。
Q.店員の方から見て、どう見えているのでしょうか、対応はしにくくないですか?
A.対応がしにくいとは、まったく思いません。お客様の「普通の要望」として「普通に応え」ます。
短く、しかし力強く言い切ってくれたのは、僕が購入の際お世話になった方でした。
思い切った質問をしていた手前、本当は少し怖かったのですが、そんなことは杞憂に過ぎませんでした。
僕のオーダーにも訝しげな顔をしないでいてくれたのは、こういった思いあってこそなのだろうなと深く納得。
Q.店舗が、というよりも、「マルイ」自体がダイバーシティに取り組んでいるのでしょうか?
A.「マルイ」自体が、ダイバーシティに取り組んでいます。
「ruコンセプトストア」、「みんなのオーダーby VISARUNO」のように、「マルイ」に入っていて「マルイ」が運営するショップは、同じように取り組んでいます。
もちろん、有楽町や他都心部だけでなく、全店舗で同じことなのだとか。
地方に行けば行くほど人の目が気になる、というのはよく聞く話ですし、地方在住のマイノリティさんたちも、困ったときには「マルイ」で探してみるといいかも知れません。
こうして質問させてもらう中で、僕が考えていた以上に強く、ダイバーシティの観念が根付いていることがわかりました。
けれど、どうしてこんなに熱心に取り組まれているのだろう?
ここで思い切って、マルイがダイバーシティに取り組まれる所以を聞いてみました。
それは遡ること2016年、経営の重点テーマに「ダイバーシティ&インクルージョン」を置き、
すべてのお客様に喜んでいただけるサービス・商品を提供できるように取り組みをスタートしたようです。
そして、「すべてとはなにか?」と考えたとき、LGBTQも例外ではなくそのすべてに含まれました。
LGBTQだけではありません。外国人、障がい者、高齢者もそう。
今まではもしかしたら、お客様を選んでいたのではないか? そう考え、お客様に選んでもらえるよう幅広いサイズ展開や、障がい者の方にも着けやすいものをつくるなどの工夫を重ねてきたのだそうです。
LGBT研修も積極的に行い、これまでに「マルイ」の社員約3700人が受けているのだそうです。
テナント様向けの研修や講話を行う活動なども進め、更なるダイバーシティ推進に精力的。
それからなんと、「マルイ」にはインクルーシブファッションプロジェクト担当という部署があるのだとか!
2019年2月には、「ジェンダフリーハウス」というコミュニティ型のストアを期間限定で開催したそうです。
メンズ、レディースという性別にとらわれずに、コスメやファッションと一緒に展示や演出をして、
機会があるごとに、様々な趣向を凝らしてジェンダーフリーを伝えます。
結果、本来自分の欲しかったデザイン、カラー、サイズを選択することができ、「ruコンセプトストア」でピンク色のニットを男性が購入されたこともありました。
小売店の決めた、「これはレディース、こっちはメンズ」などの男女の垣根を越える意味合いがあり、お話をしてくださった方も「本来服にもコスメにも、男女の別はないと思います」と、そう仰っていました。
また、逆にご質問をひとついただきました。
「当事者の方から見て、こんな商品があればいいなと思うものはありますか?」と。
販売や商品企画者の方々を前に、自分の願望を伝えるなんて……緊張する……。
「右前左前を自由に変えられるジャケットやシャツなんかあったら嬉しいですね……。
でもやっぱり需要と供給のバランスが悪かったりするんでしょうか?」
ちょっと震える声でそう言ってみたところ……
「その発想はなかった!! とても貴重な意見です。」
と言っていただきました。
LGBTQ、特にトランスジェンダーや僕のように、生まれた性別と心の性のつり合いと、旧社会的に求められてしまう性が一致しないケースは、社会に出ていく際に困難が付きまといます。
それを誰もが名前を知っていて大きな会社である「マルイ」が後押ししてくれているとは知らずにいました。
多くのことを教えてくださった「有楽町マルイ」の皆様、本当にありがとうございました!
買った大事な服は、大きな自信になりました。これで胸を張って、就職活動に励めます!
「LGBTQ就活:Xジェンダーが就活用の服を買いに行ってみた」は、大成功で終えることができました。
悩んでいる方が、こんな風に「すべて」に優しい企業に出会えますように。
(文/秋山 写真/秋山・写真AC・Pixabay)
※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。
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