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退職を機に、出張で貯まったマイルと有給休暇を使って、ひとりで地中海沿岸と中南米をまわってきたわかちゃんです。
みなさんは失恋や慣れ親しんだ環境から離れるとき、不安を抱えたことはありませんか?
今は、コロナの問題で海外旅行はなかなかできませんが、また旅に出たいという気持ちも踏まえ、以前に旅行したモロッコのサハラ砂漠についてお伝えします!
モロッコは圧倒的なスケールの砂漠と、そこで出会った人々の優しさが私の人生に変化をもたらしてくれた素敵な場所でした。
きっかけは、ファッションショーで引っ張りだこだった、馴染みのヘアサロン店長の「砂漠を見たら人生観が変わった気がするの」という言葉でした。
自分が退職して区切りをつける今、吸い寄せられるように、ひとりで行きたくなる気持ちが、からだの奥から湧き上がってきました。
喧騒のマラケシュで借りた車は小さな赤いフィアット550。
小さな車でしたが、モロッコにいる間、ずっと苦楽を共にした可愛い相棒になりました。
無人の道でパンクした時は、積んでいた工具が合わず、修理ができず困っていたところを牧童に助けてもらい、スペアタイヤで、モロッコ横断11日間を耐えてくれました。
今回は、サハラ砂漠の中の「シェガガ」と「シェビ」の二つの大砂丘を訪ねたのですが、いずれもひたすら無人の荒野と山道を走ります。
標識も尋ねる人もいない道は、持参した Wi-fiルーターとタブレットで現在地を確認しながら進みましたが、土地勘がなく、まったく時間が読めないことに困りました。
アプリで複数のルートが表示されると、最短ルートを選択するのですが、これがやっとすれ違えるくらいのガードレールがない山道だったりします。
落ちたら谷底へ真っ逆さま!
結局、また戻ったりして、とんでもなく時間がかかったりします。
時々、道すがら故障したのか車のボンネットを開けて手を振る人を見かけたのですが、言葉がわからず用心した上で
迷わず「ごめんね」とスルーしてしまいました。
どちらの砂漠でも、目的の宿泊地にたどり着くまで一苦労。
シェガガ砂丘入口のアマミドでは素朴なキャンプをし、シェビ大砂丘入口のメルズーガでは、「ホテル」に宿泊しましたが住所表記はなく、「だいたいこの辺あたり。近くに来たら連絡して」というスタッフの対応のアバウトさ。
こうなると現地の人の協力を仰ぐしかないのですが、この人選に慎重になります。
法外なチップを要求されるかもしれないし、どこかに拉致されてしまうかもしれないという不安が。
実は、その前にマラケシュで被害にあってしまいました。
ホテルの近くまでタクシーがいけず、徒歩でホテルを目指していましたが迷路のような路地で方向感覚が麻痺し道に迷っていたところ、親切そうなお兄さんがやってきて荷物を持って案内してくれました。
ところが、人気のないところを見計らって、急に人相が変って、とても法外なチップを要求してきたのです。
いや~怖かった。
さて、砂漠の入り口では突然、道がなくなります。
宿に連絡しても不通か、何か言っていても皆目わかりません。
怪しげなお兄さんたちが寄ってくるのですが、断っていると今度は誰も助けてくれません。
それでも、なんとか助けてくれる人が現れて、アマミドではファミリーのお父さん、メルズーガではガソリンスタンドのおじちゃんが助けてくれました。
チップを渡そうとすると親切な人に限って、お礼のチップをクールに断るカッコいい大人なのでした。
宿へは、ラクダか改造ジープでしか寄り付くことはできません。
相棒のフィアットは放置されます。あとは自分の足だけが頼りの世界です。
お宿に着いてわかりましたが、宿の設営場所は時と場合によって変わるのですね。 砂嵐を避ける窪地に設営されているので、窪地が移動するのにあわせて宿も動く。
このあたりが定住しない遊牧民のモードに切り替えないといけないところです。
砂漠へのアクセスは時間に余裕を持たないと、間違いなく 立ち往生となります。
夜中のトイレにご用心。
キャンプのテントの中は、ベッドがあるだけ。
トイレは遠く離れたところにあります。
夜は、漆黒の闇の中、懐中電灯の光も届きません。帰りは自分のテントにたどり着けなくなります。
結局、自分のテントの裏にまわり、穴を掘る事になります。
砂漠では、ラクダで移動。ラクダ使いが「せっかくだから、あの頂までひとりでいっておいで」と、ラクダ使いは優しいまなざしを送ってきます。
ここで置き去りにされたら、間違いなく死んじゃうんですけど!
足跡を目印に稜線をつたって行きます。稜線を外れると蟻地獄状態になります。ラクダ使いとラクダは砂丘の麓でのんびり、私を視野に入れて待っていてくれます。
ここでは動くものは沈む夕日と風に撫でられる砂だけ。
音は砂に吸い込まれ、静寂の中、赤い地平線に夕日が溶け込む様は息を飲む光景です。
宇宙のなかでの小さな自分を感じます。
大袈裟かもしれませんが、月に、あるいは火星に降り立ったら、同じ気持ちになるかと思うほどです。
これから自分はどこへ行くのか、どう生きていくのか。不安な気持ちもありますが、「それはなんとでもなる」と思える、「自分を宇宙に放り出したような不思議な感覚」を味わいました。
ラクダに揺られて見上げた満天の星と月。
出迎えてくれた笑顔と暖かいタジン。
キャンプファイアを囲む歌声とリズム。
焚火近くで毛布に包まって、火の粉が吸い込まれてゆく銀河を見上げてみてください。
まるで宇宙に放り出された自分を、この地上に再び暖かく迎えてくれる人々の温もりを感じます。
思い切って、ひとりで旅ができて良かったと思います。
旅のきっかけとなった人気ヘアサロン店長は現在、故郷で店を持ち独立しています。
この旅を通して、彼女の気持ちが少しわかった気がします。
ゼロ以上にリセットされた、清々しい感覚を味わってしまったからでしょうか、帰国後、周りから「わかちゃん、なんか変わったよね~」とよく言われました。
自分でも、余計な力が抜けたと言うか、さっぱりしたように感じます。
なかなか人生観を変える旅は少ないと思います。
みなさまも、機会があれば、迷わず、旅に出るのはいかがでしょうか。
そういえば、「希望」がテーマのスターウォーズの完結シーンも、砂漠を歩き始めるところでしたね。
なんて……
(文・写真/わかちゃん)
※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。
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