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IT界のカリスマを異なる視点で描いた二本の映画
「スティーブ・ジョブズ」を見比べてみた。

「スティーブ・ジョブズ」という邦題で、二本の同名映画がある。

原題は、日本で今年公開された新作の2015年作品が「steve jobs」で、旧作となる2013年作が「JOBS」。両作共に、2011年10月に56歳という若さで病死したカリスマ実業家のスティーブ・ジョブズを主人公に、その大成功のきっかけとなった同時期までを扱った長編映画である点は共通しているものの、その描き方は全く異なっている。

その歩みを追うだけでもありきたりのフィクションではかなわないストーリー性をもっているだけに、2013年版は、オーソドックスともいえるほぼ時系列の年代記的な伝記映画。

ジョブズの学生時代から、仲間と起業したアップル・コンピュータでの成功と挫折を経ての復活劇までを、人格的な問題はあったものの信念を貫くためにまい進した人物として点描していくサクセスストーリーとなっている。   最大の見所は俳優たちのなりきり演技で、中でもジョブズを演じるアシュトン・カッチャーは、その風貌やしぐさなどが本人そっくり。その他の俳優陣も比較写真がエンドロールで流れるとおり、実在の人物に近いキャスティングが行われている。

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一方、2015年版は、転機となった3つの新製品発表会直前の各40分間の舞台裏のみを描いた、3幕劇のような大胆な構成。描かれるのは、1984年の初代マッキントッシュ、アップルを追い出されて設立した新会社で開発した1988年のNeXTCube、そして、アップルに出戻り見事返り咲くことに成功した1998年の初代iMacという3つの発表会の直前のみで、過去の出来事の回想は多少挿入されるものの、その圧倒的なプレゼンテーション能力をみせつける姿は登場しない。
大舞台を控えて、ジョブズやスタッフがプレゼン会場や控室を慌ただしく動き回る喧騒と高揚感の中、ジョブズはエゴまるだしの言葉をまくしたて、彼の人生に深くかかわった人物たちに次々と遭遇して本音をぶつけあう。これはある限定した空間にジョブズの人生を集約してみせている映画的なフィクションで、膨大な台詞を駆使した構成も含めて、舞台劇のような手法ともいえる。
その切り取り方は非常に限定的だが、時と場所は変えていても、その発言や心情は本人唯一の公式評伝や関係者への取材から抽出したものと思われ、限定した時間や人物に集約した出来事を3つの時代でみせることで、ジョブズの本質や変化をダイナミックに描くことに成功している。
スタッフは、脚本に「ソーシャル・ネットワーク」(10)ではマーク・ザッカーバーグを描いたアーロン・ソーキン、そして、監督にダニー・ボイル、キャストにはマイケル・ファスベンダーやケイト・ウィンスレットなど、オスカー受賞者&候補者が揃い、本作も各映画賞をにぎわせている。

(文/スタッフライター・天本 伸一郎)

(作品情報)

「スティーブ・ジョブズ」

製作年:2013年
製作国:アメリカ
上映時間:2時間8分
監督:ジョシュア・マイケル・スターン
出演:アシュトン・カッチャー、ジョシュ・ギャッド、ダーモット・マローニー、J・K・シモンズ、マシュー・モディーン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FYJS6ZS
※DVD発売元:ギャガ 販売元:ポニーキャニオン

「スティーブ・ジョブズ」

製作年:2015年
製作国:アメリカ
上映時間:2時間2分
監督:ダニー・ボイル
出演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズ
※全国にて上映中(配給:東宝東和)

※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。

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