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こんにちは! 映画の中でアンティーク、ビンテージ家具がいっぱいの
素敵なインテリアが出てくるとちょっとテンションが上がります、西田メルモです。
今回は、9月30日公開の『ブルーム・オブ・イエスタディ』を観てきました!
ブラックユーモアをふんだんに盛り込んでコメディタッチに描かれた
ナチス映画の歴史を変えるエポック・メイキングな愛の物語。
固定概念を脱ぎ捨てて、本作の持つ軽さに身をゆだねてお楽しみください!
© 2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH
- 原題
- DIE BLUMEN VON GESTERN
- 製作年
- 2016年
- 製作国
- ドイツ・オーストリア合作
- 配給
- キノフィルムズ・木下グループ
上映時間- 126分
- 監督
- クリス・クラウス
- キャスト
- ラース・アイディンガー、
アデル・エネル、
ヤン・ヨーゼフ・リーファー ス、
ハンナ・ヘルツシュプルング、
他
過去を嘆くだけの時代に終止符を打つ、
未来を生きる世代のために ──
監督自身のルーツから創作した風変わりな愛の物語監督はスマッシュヒットした『4分間のピアニスト』(06)のクリス・クラウス。
主人公と同じように、家族にダークな過去があると知り、大変なショックを受けて、
自らホロコーストの調査を重ねた。その際に、加害者と被害者の孫世代が歴史をジョークにしながら楽しそうに話している姿に触れ、
本作のアイデアが浮かんだという。当然ながら、彼らが親族の経歴を忘れたわけでも、そこから受けた心の痛みが消えたわけでもない。
それでも過去に囚われずに、希望と共に未来を生きようとする世代のために、
新しいアプローチの映画を作ることを決意した監督。ナチス映画の歴史が変わるに違いない、エポック・メイキングな作品を完成させた。
フランスで最注目の若手女優とドイツの実力派俳優が共演
トトに扮するのは『パーソナル・ショッパー』(16)など
オリヴィエ・アサイヤス監督作品で知られるラース・アイディンガー。人生につまずきっぱなしの人間味に溢れた男を、情感をこめて演じた。
ザジに扮するのは、セザール賞に4度ノミネートされ2度の受賞を果たしている、
ダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』(16)のアデル・エネル。
いまフランスで最も注目されている女優のひとりだ。フレッシュな組み合わせで魅せるヨーロッパの歴史とユーモアがつまった大人の物語。
ホロコースト研究所に勤めるトト(ラース・アイディンガー)は、ナチス親衛隊の大佐だった祖父を持ち、
一族の罪に真剣に向き合うあまり心はいつも不安定。さらに、2年もかけて企画した“アウシュヴィッツ会議”のリーダーから、外されてしまう。
最悪の精神状態で、フランスから来るインターンのザジ(アデル・エネル)を迎えに行く。
到着した彼女は、トトの下で研修できることに感激したのも束の間、迎えの車がベンツだと知ると、激しく怒り出す。
ユダヤ人の祖母が、ベンツのガス・トラックでナチスに殺されたというのだ。トトは猫の目のようにコロコロと気分が変わるザジに唖然とし、ホロコーストの被害者の孫なのに、
何かと歴史を茶化す、ザジの破天荒なユーモアにも我慢ならなかった。ある日、会議を欠席すると言いだしたホロコーストの生還者で女優のルビンシュタインを説得する役目を担った2人。
トトはここでも「あの悲劇を分かってない」とお門違いの暴言を吐き、女優を怒らせてしまった。帰り道ヤケになってネオナチの屈強な男たちにケンカを売り、返り討ちにされたところをザジに助けられるトト。
ザジの寝室で手当てを受けていたトトは、目を疑う“ある物”を見つける ──。
時は、現代。
ナチスの戦犯を祖父に持つ男と、ユダヤ人女性が恋に落ちたら……
戦後72年という歳月が経ち、ホロコーストの記憶が間接的なものになりつつあります。
日本も同じく、実際に戦争を経験している人が少なくなり、
人々のなかで戦争に対しての意識が薄くなったと感じている人も多くいると思います。
戦争、そしてホロコースト……実際に起こった恐ろしい出来事は今、
遠い昔の歴史上の出来事になろうとしています。
しかし、もし自分のおじいちゃんおばあちゃんがその歴史に直接関わった当事者だったら……?
そう想像すると、これがいかに近い歴史であるかを強く意識することができます。
ホロコースト……ナチス政権とその協力者によって、約600万のユダヤ人などに対して組織的に行った大量虐殺。
これほど重い題材を、現代を生きる2人の恋愛模様をベースにストーリーを書き上げる監督の手腕には驚かされます。
“昨日に咲いた花は、きっと明日を輝かせてくれる。”
『ブルーム・オブ・イエスタディ』
2016年、第29回東京国際映画祭のコンペティション部門でグランプリを獲得!
さらにWOWOW賞とあわせてW受賞という快挙を成し遂げた、人間賛歌といえる傑作がここに誕生しました!
オープニングから畳みかけるようにユーモアと毒舌を連発させる本作。
主人公のトトとヒロインのザジのキャラクターはとにかく風変わりで強烈です。
お互い正反対の立場にいて、性格もトトは後ろ向きで、ザジは前向きという正反対ぶり。
一緒にいると互いの違いに苛立ってばかりです。
それでも、2人は同じ歴史によって心に深い傷を抱えていて、
自分にないものを持っている相手に徐々に惹かれていく……。
様々な問題を抱えた2人が惹かれ合っていく姿を追ったストーリー展開は、
ホロコーストを背景にしながらラブストーリーとして見事に成立しています。
恋愛要素を主軸に持ってくることで今までに見たことのないナチス映画となった本作。
キャラクターたちの破天荒な行動から成るブラックユーモアや恋愛を見つめながら、
彼らの大きな背景が自然に観客の意識に入ってくる。
脚本・監督を務めたクリス・クラウスが仕掛けた要素の数々が、
本作を観終わってからじわりじわりと観客の記憶のなかで返り咲いてくるのです。
鑑賞直後、1週間後、1か月後……。
きっと本作の記憶は、ひとつの印象では終わらないはずです。
本作は、なかなかパンチの効いたブラックユーモアもあり、倫理的に素直に呑み込めない場面もあるかもしれません。
「えっ!?」と思ってしまう場面があったときは、
これはフィクションであることを意識して流してしまいましょう。
本作の脚本も手掛けているクラウス監督はドイツ人であり、
主人公のトトと同じように自身の祖父とその兄にダークな過去があります。
その事実を知ったときは大変なショックを受けながらも目を背けず、
ヨーロッパ各地に赴き自らホロコーストの調査を重ねました。
その際に、被害者・加害者の孫世代が歴史をジョークにしながら楽しそうに一緒に過ごしている姿を目にしたのです。
現代において、このとてつもなく大きな重い歴史の最も近くにいて、正反対の立場にいる人同士が一緒に笑い合っていたのです。
これまでにナチスに関する映画は多く公開されてきていますが、
本作はこれまでのどの映画とも違うアプローチで歴史に触れることができます。
だからこそ、恐ろしい、重いテーマであることに囚われすぎず、
上映中の2時間、本作に身をゆだねて観てもらいたい。
笑っていい、楽しんでいい、面白可笑しく観ていいんです。
本作が誕生したことで、ナチス映画の歴史は変わります。
本作を観た人にとっても、現代におけるナチスの捉え方が変わるかもしれない、
新しいことをやってのけた作品です。
本作が、たくさんの人の目に届きますように!
『ブルーム・オブ・イエスタディ』
9月30日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー!
映画HP : http://bloom-of-yesterday.com
知識量少なめ、熱量多めの映画大好き人間(女)。
映画館で観るのが好きで、毎週何を観に行くか考えている時が至福です。
ホラーとグロテスクな映画以外、何でも観ます。
将来、お気に入りの映画館まで自転車で通える距離に家を構え、
その家にシアタールームを作るという野望を抱き生きています。
(文/西田メルモ)
※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。
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