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こんにちは! 監督の人柄のファンになると、映画観賞が何倍も楽しくなる西田メルモです。
今回は、11月18日公開の『エンドレス・ポエトリー』を観てきました!
カルト界の巨匠が最新作で届けてくれたのは、「生きること」を肯定する強いメッセージでした。
観れば魔法にかけられる、芸術青春映画です!
© 2016 SATORI FILMS, LE SOLEIL FILMS Y LE PACTE
- 原題
- Poesia Sin Fin
- 製作年
- 2016年
- 製作国
- フランス・チリ・日本合作
- 配給
- アップリンク
上映時間- 128分
- 監督
- アレハンドロ・ホドロフスキー
- キャスト
- アダン・ホドロフスキー
パメラ・フローレス
ブロンティス・ホドロフスキー、
レアンドロ・ターブ
イェレミアス・ハースコビッツ、
他
世界に潜む「マジック・リアリズム」を追い求め続けるホドロフスキー監督が、
観る者すべてに送る“真なる生”への招待状といえる作品を完成させた。監督・脚本を務めるのは、カルト映画監督の元祖と称されるアレハンドロ・ホドロフスキー。
西部劇とキリスト映画の衝撃的な融合と言われた伝説的作品『エル・トポ』(70)、
そして神秘主義に満ちた壮大なカルト・オペラ『ホーリー・マウンテン』(73)を発表し、
唯一無二の感覚を持った鬼才として、評価を不動のものとした。2013年には、SF小説デューン映画化の裏話を明かしたドキュメンタリー作品『ホドロフスキーのDUNE』(13)の公開とともに、23年ぶりの監督作である『リアリティのダンス』(13)が公開。
虚実入り交じったマジック・リアリズムの手法で監督自身の少年期を描き、その続編となる本作『エンドレス・ポエトリー』では監督の青年期が描かれている。進化し続ける巨匠の新作にして、芸術青春映画の新たなる傑作と呼ばれる本作は、
第69回カンヌ国際映画祭で上映されるや否や、各メディアから「ホドロフスキーの最高傑作!」、
「87歳にして、今がキャリアのピーク!」と絶賛の声が相次いだ。主人公アレハンドロ役には、監督の末の息子であるアダン・ホドロフスキー。
主人公の父親役は前作に引き続き、同じく監督の息子であるブロンティス・ホドロフスキーが演じる。
君が、詩が、僕の行く道を照らしてくれる ――
燃えさかる蝶のように。物語は、ホドロフスキー一家が故郷トコピージャから首都サンティアゴへ移住するところから始まる。
青年アレハンドロは、自分への自信のなさと抑圧的な両親との葛藤に悩み、
この環境から脱し何とか自分の道を表現したいともがいていた。ある日、アレハンドロは従兄リカルドに連れられて、芸術家姉妹の家を訪れる。
そこでは、古い規則や制約に縛られない、ダンサーや彫刻家、画家、詩人など若きアーティストたちが
共に暮らしていた。彼らと接していく中でアレハンドロは、それまで自分が囚われていた檻から、ついに解放される。
エンリケ・リンやニカノール・パラといった、後に世界的な詩人となる人物たちとの出会いや、
初めて恋に落ちたステジャ・ディアスとの邂逅(かいこう)によって、アレハンドロの詩的運命は、
新たな世界へと紐解かれていく。
強烈でアクの強い作品づくりで知られる奇才アレハンドロ・ホドロフスキー監督の最新作ということで、
とっつきにくさを感じる方もいるかもしれません。
ホドロフスキー監督の作品を鑑賞する時間というのは、言葉で表現するのが難しいのですが、「怒涛のごとくスクリーンに映し出されるセンスに溢れた美しい映像に呑み込まれ、映画の魔法を堪能できる夢の時間」といえるのではないかと思います。
私自身、過去の作品を鑑賞した時は、独特の世界観に爽快感さえ感じるほど圧倒されました……。
そして、監督の未完の大作をめぐるドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』(13)を観てからは、
監督のチャーミングでパワフルな人柄にもすっかり魅了されてしまいました。
擬音語を多用して話される様子は、楽しくて面白くて、そして可愛いです!(笑)
監督の人柄と同じように、茶目っ気たっぷりでどこか不思議で、とてつもないエネルギーに溢れている……
それがホドロフスキー監督の作品の特徴だと思います。
本作『エンドレス・ポエトリー』では、その不思議な魅力と映像美、魔法的演出がぐんと高まり、
不思議で少し笑ってしまう、驚きとユーモアに満ちた世界観を築き上げています!
次々と出てくる、“普通”とはちょっと違うお茶目な演出……。
前作『リアリティのダンス』(13)でも、何もないところからぽんっと物が出てくるような
面白い表現が多くありましたが、本作でもコミカルな表現が盛りだくさん!
演出、舞台転換など、全編を通して工夫に満ちています。
自分なりに解釈しながら観るのもホドロフスキー作品の楽しみの一つですが、
彼の作品は“ものの例えがまったく出てこない世界”なのだと感じました。
現実の世界では比喩や抽象的な表現が溢れていますが、
それを“言葉のままに剥き出しにした世界”に変換して映像化しているのです。
本作内のある場面で、主人公のアレハンドロは友人の詩人エンリケ・リンと
「詩人というものは世間に惑わされてはいけない! 僕たちは何ものにも左右されずまっすぐ進み続ける!」
という誓いを立てます。
「何ものにも左右されずにまっすぐ進む」。日常でもよく使われる表現です。
本作では、そこに壁があろうと、家があろうと、すべてがその言葉通りに起こる世界なのです。
単なる言葉の表現でしかなかったものを、映画の中で実現させてしまう。
ホドロフスキー監督が創り出す世界は、まるで魔法の世界です。
監督が独自に提唱する心理療法「サイコマジック」
無意識を騙す、過去を塗り替えていくことで、心を治療していく心理療法。
前作『リアリティのダンス』は、サイコマジックを体現し、
監督の少年期のトラウマを創作によって昇華させたといえる作品でした。
本作『エンドレス・ポエトリー』では、監督青年期に起こった出来事を、
想像力によってより美しく、より過激に、より温かい形で描いています。
変えられない過去を、愛をもって描き直すことで、他人を、そして自分を許していく。
血も裸もたくさん出てくる衝撃的な作品でもありますが、温かさ、優しさが込められている作品だと思います!
前作『リアリティのダンス』と同様に、本作でも現在の監督がところどころで登場します。
主人公アレハンドロ……つまり、“過去の自分”に語りかけるのです。
「(出すぎないように)自分が出るのはほんのちょっとだけ、どうしても必要なところだけ」
そう言う監督が登場するのは、どれも重要で、素晴らしいシーンばかりです。
80代になった今だからこそ辿り着けた言葉を、過去の自分に伝えているのです。
劇中に登場する監督は、過去の自分に、そして観客に「生きろ、生きるんだ」と力強く伝えます。
これはただ生存するという意味の「生きろ」ではなく、「自分の心に従って生きろ」という意味です。
周囲の言葉や考えに、呪いのように捕らわれていた主人公アレハンドロが、
望まれる道ではなく自分が行きたい道へ進む決意をした時、
親族をはじめ周囲の人々は、彼に冷ややかな目を向けるようになります。
それでも彼は、燃えさかる蝶に導かれるように、芸術に傾倒していくのです。
ホドロフスキー監督に限らず、周囲に抑圧された経験がある人は多いのではないかと思います。
だれも過去を変えることはできません。ですが、過去の記憶を昇華させることで
トラウマを克服できるのだと、監督は本作を通じて示しているのです。
前作『リアリティのダンス』を鑑賞しているとより深く楽しめると思いますが、本作『エンドレス・ポエトリー』だけ鑑賞しても十分に楽しめます!
本作が監督の人生をもとに作られた作品であり、「抑圧的な両親のもとで、自分の進む道に悩み、もがき続け……そして芸術に目覚めていった青年期を描いた作品」ということを押さえていれば、わかりやすく楽しめると思います。
監督の強いメッセージが込められた、最新作にして最高傑作といえる摩訶不思議ワールド、
きっとあなたも、魔法にかけられると思います!
是非劇場でご堪能ください!
『エンドレス・ポエトリー』
11月18日(土)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開
映画HP : http://www.uplink.co.jp/endless
知識量少なめ、熱量多めの映画大好き人間(女)。
映画館で観るのが好きで、毎週何を観に行くか考えている時が至福です。
ホラーとグロテスクな映画以外、何でも観ます。
将来、お気に入りの映画館まで自転車で通える距離に家を構え、
その家にシアタールームを作るという野望を抱き生きています。
(文/西田メルモ)
※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。
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