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こんにちは! 引っ越しの際、お気に入りの映画館へ
行きやすいかどうかも視野に入れて家を探します、西田メルモです。
今回は、8月11日公開の『少女ファニーと運命の旅』を観てきました!
若干13歳の少女がリーダーとなり、ナチスドイツ軍に追われながら子供たちだけで国境を超える壮絶な旅。
いまもイスラエルに健在の女性、ファニー・ベン=アミさんの経験した実話をベースに描いた本作。
壮絶な状況の中でも、つらい部分だけに焦点を当てるのではなく、
その時代に生きる子どもたちの真っ直ぐで愛らしい姿を見せ、
ドキュメンタリーとはちがう美しい物語として完成されています。
新しいアプローチで見せる“あの時代”、
不安定な現代に生きるすべての人に観てもらいたい作品です。
© ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT – 2015
- 原題
- FANNY’S JOURNEY
- 製作年
- 2016年
- 製作国
- フランス・ベルギー合作
- 配給
- 東北新社
STAR CHANNEL MOVIES
上映時間- 99分
- 監督
- ローラ・ドワイヨン
- キャスト
- レオニー・スーショー
セシル・ドゥ・フランス
ステファン・ドログロート
ライアン・ブロディ
他
名匠ジャック・ドワイヨン監督を父に持つ注目の女性監督が贈る、
1,000人の中から選ばれた子供たちと、ヨーロッパを代表する女優で描く“命をつなぐ旅”。
フランスとベルギーでオーディションが開かれ、本作の重要な役となる9人の子どもたちが選ばれた。
主演のファニーに抜擢されたのは、本作が演技初体験となるレオニー・スーショー。
子供たちを何とか無事に逃がそうと奔走する児童施設の責任者マダム・フォーマンには、
フランスのアカデミー賞にあたる<セザール賞>に5度ノミネート、2度受賞を誇るセシル・ドゥ・フランス。
ヨーロッパを代表する女優であり、近年では『ヒア アフター』(10)に出演するなど、ハリウッドでも活躍している。
監督・脚本をつとめるのは、名匠ジャック・ドワイヨン監督の娘であるローラ・ドワイヨン。
初の長編監督作『Et toi t’es sur qui?』(07)がカンヌ国際映画祭の<ある視点部門>に出品された他、<セザール賞>にもノミネートされた。
長編3作目となる本作では、ファニー・ベン=アミの自伝をもとに、
彼女の旅の骨組みである重要な歴史的事件の流れに従い、
“あの時代”を生き抜いた人たちの証言や実際の出来事を加え、この映画を作り上げた。
ナチスドイツの支配下にあったフランスからスイスの国境を目指し、
子供たちだけで旅を続けた少女ファニーの実話から生まれた感動の物語。
1943年、ヨーロッパ全域に広がりつつあるナチスドイツの脅威の下、フランスもその支配下にあった。
13歳のユダヤ人である少女ファニーは幼い2人の妹と共に、ユダヤ人支援者たちがひそかに運営する児童施設に匿われていた。
ある日、密告者によって施設の存在が暴かれてしまい、子供たちは別々の施設に移ることになる。
しかし、ドイツ軍の取り締まりが厳しくなり、間もなくしてそこにもナチスの手が及ぶ。
子供たちはスイスへ逃げるため列車を乗り継ぐが、その途中引率者とはぐれてしまい、
見知らぬ駅に9人の子供たちだけが取り残されてしまう。
リーダー役となったファニーと子供たちは、いくつもの窮地を勇気と知恵で乗り越えながら
ひたすらスイス国境を目指すが、追っ手はすぐそばまで迫っていた……。
世界では、戦争をしている国、地域が存在しています。
ですが今、この文章を読むことのできる状況にいる方のなかで、
真の意味で“戦争がある時代”を生きている人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
本作は、戦場の渦中を見せる映画ではなく、
戦争のある時代に生きる、一般市民の人々、子供たちに焦点を当てています。
子供たちの視点から描く、ナチス占領下のフランスが一体どういうものだったのか。
実在する女性が少女だったときの経験をもとに作られた本作は、
子どもの真っ直ぐな目に映る世界を見せてくれます。
ユダヤ人の子として生まれ、ユダヤ人として育った子供たちを待ち受ける現実は、
あまりにも悲しく、苦しく、憤りを感じずに見ることはできません。
作中に、子供たち全員が“子どもらしく”無邪気に笑い合いながら戯れるシーンがあります。
子供たちが置かれる状況のなかで、その光景はあまりに美しく、色濃く私たち観客の目に映ります。
本作は、悲しい、苦しいだけの映画ではありません。
一つの映画として、物語として、美しい何かを心に残してくれるものになっています。
現代を生きる大人たち、子供たち、
どんな立場にいる人にも観てもらいたいと思う作品です。
本作は、題材も重く、“あの時代”に対する怒りや憤りを感じながらも、
等身大の子供たちの素晴らしい演技に目を奪われます。
彼女たちの演技は、変に大人びるわけでもなく、
あくまで年相応の少年少女のまま、スクリーンに映し出されています。
子供たちが、これほどまでに自然な演技でキャラクターの魅力を引き出しているのは、
ドワイヨン監督をはじめとする制作側の努力の賜物とも言えます。
子供たちのキャスティングの段階では、個人の演技力だけでなく、
他の子たちと一緒になったときの相性を重視されていました。
主人公ファニーのキャスティングは最も重要であるだけに難航し、
最終的にはベルギーのキャスティングディレクターのおかげで、
映画出演未経験の13歳の少女レオニーを発掘したそうです。
ドワイヨン監督はレオニーに対し、
「あれほどのエネルギー、知性、勇気を持っている少女がいるなんて驚いたわ。
まさにキャラクターそのものだった」と、絶賛しています。
「私はファニーの優しさよりも、頑固さに惹かれた。
彼女の欠点は、優れた点と同じくらい大切で、その衝動的な性格や意志の強さのおかげで、
諦めずに戦い続けられたのだと思うの。レオニーはそれを兼ね備えていたわ。」
ドワイヨン監督にそう言わしめるレオニーの魅力を、私たち観客はスクリーンを通して納得することになります。
ドワイヨン監督は、子供たちへの演出方法についても、こう明かしています。
「一番複雑なのは同じシーンの演技でも、一人一人の子供に対して異なる演出の方法があるという点ね。
セリフはひとまず横に置いて、感情を吐き出すことを楽しんでもらったわ。
セリフを練習しすぎてしまうと、のびのびとした演技ができなくなる危険性があるからね。
子供たちにとって、演技をすることはゲームのようなもので、とても直感的なものなのよ。」
監督は、子供たちの感情や思考を理解し、
彼女らの魅力を最大限に生かす演技ができる環境を作り出し、辛抱強く待ち、
子供たちが魅せる最高の演技をカメラに収めていったのです。
今回、原作者であるファニー・ベン=アミさんが、
ドワイヨン監督に映画権を与えた理由をこのように語っています。
「私の望みは、私のメッセージが理解されること。またとない機会だったわ。」
「私たちは、とても不安定な時代に生きている。
今、あの当時に叫ばれたのと似た主張をたくさん聞くわ。
とても危険なことで、誰も無関係ではないわ。」
信教が違うというだけで、迫害され、家族を奪われ、命を奪われた時代。
作中、ファニーの末妹で小学生にも満たないジョルジェットが、
ほんの何歳かだけ年上の男の子に問いかけた「私たちはユダヤ人? 悪いことならやめれば?」という言葉は、
あの時代に行われていた、あまりにも理不尽な迫害の実情を教えてくれる最たるものであり、
観る者の心に深く跡を残します。
大多数の人間が戦争を知らない時代となった今、
戦争に対して重みのない、軽率な発言をする人が多くなったと感じます。
もしも、私たちが“あの時代”にいたら、どのように行動する人間になるでしょうか。
戦争のない環境の中で生きる私たちは、戦争を知る人たちが残してくれたメッセージを受け取ることで
その時代を深く想像し、考えることができるようになります。
本作は、まさにその“メッセージ”です。
大きな題材の中で、強く美しく生きる子供たちの姿がある、後世に語り継がれるべき物語。
今を生きるすべての人に観てもらいたいと、心から思える素晴らしい映画です。
ぜひ劇場で、この強く美しいメッセージを受け取ってください。
『少女ファニーと運命の旅』
8月11日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
映画HP : http://shojo-fanny-movie.jp
知識量少なめ、熱量多めの映画大好き人間(女)。
映画館で観るのが好きで、毎週何を観に行くか考えている時が至福です。
ホラーとグロテスクな映画以外、何でも観ます。
将来、お気に入りの映画館まで自転車で通える距離に家を構え、
その家にシアタールームを作るという野望を抱き生きています。
(文/西田メルモ)
※記事内容はすべて公開日時点の情報となります。
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